===ここから最終章です=====
==第二章は読みおわりましたか?===



















最終章「小野モード反転」

 


さぁ、第2章で懺悔も終わったことだし気持ちはレースに切り替えよう。
 


インターネットで「山の天気」を検索すると気温2℃、風速14m・・・
はぁぁぁ!?なんじゃこりゃ~と、
宿泊施設からチェックアウトするまで服装になやむ。
 

ゼッケンをウィンドブレーカーにつけてみたり、外してジャージにつけたり、
いやいや半袖ウェアか。。。
 

店長「スギハチさん、服どうします?」

スギハチ「どうしましょ~」

店長「村上さん、服どうするんですか?」

村上さん「う~~ん、、、」

店長「酒井さん、服どうしますか?」

酒井さん「半袖、寒いですかね・・・・」

店長「う~~~、、スギハチさ~ん、服どうしましょ」



チェックアウトまでずっと繰り返しの質問がつづく・・・

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選手駐車場で準備をしていると前日300kmブルベを完走してきた青木さんが登場。
半分、解脱してるようである。
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前回は最初から全力疾走で第1CPから足が攣り始めたので
今回のプランはこうだ!
 

・スタート~ビギナークラスゴールまで速度を抑えた時速11kmをキープ。
・ビギナークラスからゴール地点まで時速12kmにする。
 

これで計算上、1時間37分でゴールできるのである!
 

完璧だ。
 

しかも!
ハンドルには梅丹の梅肉エキスを醤油指しに移し変えたものを搭載。
これを第1CPで飲むことで疲労がリセットされるはず。
 

さらに、
ステム裏側には梅丹サイクルチャージカフェインプラスも搭載。
これを第2CPで飲めばカフェイン効果で集中したダンシングで加速できる。
 

のはずだったのだが、
この机上の空論は見事につぶされたのだ。
 

スタートしてビギナークラスまでは予定通り時速11kmで走行し、
梅肉エキスの補給も完了。

が、
その後が時速12kmに上がらない。
想像以上に勾配が緩くないのだ。
 

誰だ!滝見台をすぎると緩やかな勾配にかわると言ったのは!!

※もう3回目の参加なんですけどね


そうこうする内に、
今年もまた後方から笑い声がこだまする。
 

謎の声「ふふふふふ。てんちょ、ふふふふふ」
 

左手の親指を上に向けたグッドラックのポーズをして抜き去るはスギハチさんだ!
 

スギハチさん「ふふふふふ」
 

さらにすれ違い様に、上に向けていた親指を下に向けやがった!!
 

店長「ちっくしょ~、スギハチさ~ん」
 

声にならない叫びをあげつつ、〈食いついてってやる〉
 

と速度を上げるもジワリジワリと引き離されていく。
 


第1CPを過ぎる頃になると、植物の高さも低くなってきてる為か
強風が全身を襲うようになっており、両手の薬指と小指がしびれて感覚がなくなっている。
 

血流が悪くなっているのか?と体を見渡すもそんな場所はなく、
シューズもきつすぎる状態でもない。
 

そうだ。寒すぎるのだ。
 


薬指と小指を手のひらとブラケットの中に折り曲げて走り続ける。
 

本来なら第2CPで飲むはずのサイクルチャージも早々に飲み、
気合を入れなおすも強風で煽られ泣きが入る。
 


そして第2CP手前地点で突風に吹かれてしまい、転びそうに><
ギリギリでクリートを外し足をついて難を逃れることができた。
 

そう、
蔵王ヒルクライムで初めて脚をついてしまったのである。


 

凄まじいショックに襲われ、
横から吹き続ける強風にキレてしまう。
 

店長「もういい!歩いて登ってやる」



強風の中を10mも歩くも、
 

〈無理だ。歩いて頂上を目指す方が大変だ〉



強風を怖がりながらも再走行開始。
 

脚を着いたからなのかもしれないが、
今年のクララ(太もも)は、まだまだ大丈夫みたいだ。
 

残り5kmは全力で登りきってやる!と意気込むも辺り一面真っ白な霧の空間にはいり
気温はさらに下がっている。
 

そして何故か股関節あたりに違和感を覚える。
 

店長「ユ、、ユキちゃん?ユキちゃんなのか!今回はユキちゃん(股関節の筋)が暴れてる」


ここにきて、強風・霧・低気温だけでなくユキちゃんの暴走が控えていたとは!
 


ペダルを回しながらストレッチをしようと立ち上がろうとすると強風が襲ってくるし、
サドルに腰をおとしているとユキちゃんが暴れる。
 


辛いよ~。もうゴールしたいよ~。とペダルを回しても辺りは真っ白で
どの辺を走ってるのかも理解できない。
ほぼ半泣きのままゴールとなった。
 

ゴール後の駐車場には氷の塊が転がってるし、
選手はほとんどなく横たわった自転車だけがならんでいる。
まさに自転車の墓場のような光景がひろがっていた。





もうどうにでもしてくれ~っと、彷徨っていると。
 


小野さん「てんちょ~、こっちだよ。ほら早く自転車置いてレストハウスにいこう」
 

店長「小野きゅ~ん。辛いよ~、ここ寒いよ~。辛いよ~」
 

小野さん「わかった、わかった。わかったから早くいこう。凍え死ぬよ」
 

店長「小野きゅ~ん、ありがと~。ありがと~。ここは異常だよ~」
 

小野さん「大丈夫だから早くいくよ」
 

こんなにも小野キュンが優しい人間であったとは思いもよらなかった。
小野竜一という人間は困難な時に助けてくれる人間であったのだ!


自転車の墓場を抜け、レストハウスに向かうとすでにゴールした人達でごった返している。

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店長「スギハチさ~ん、伏見さ~ん、寒いよ~。」
 

伏見さん「てんちょ、そこら中に氷の塊が転がってましたね。今日はすごいですね」
 

スギハチさん「ははは、てんちょう、どうでした?」
 

店長「去年より相当遅くなりました。脚もついちゃいました。ショックです」
 


などと、
傷をなめ合っているとワラガイメンバーも続々とゴールしてくる。

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ワラガイ軍団全員無事にゴールを確認し、全員で下山を開始する。
 

料金所までは寒さで握力がなくなってブレーキが怖い怖い。
しかも強風は変わらずという天候。
 

しかし下山ではあっという間に真っ白な霧の空間から抜け出すことができ、
青空が広がった下界が綺麗に見通せる。

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体感気温も5~6度上がったように感じられる。
 

店長「いやぁ~ 暖かいですね。はっはっは~、いい天気だ」
 

10分前には寒さでレストハウスから外に出ることすら躊躇ってたというのが嘘のようである。
 

あとは、
恒例のワラガイ一向が固まってのゆっくり下山タイム。

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握力がなくなるので大目の休憩を挟みつつ、
今回のレースを振り返りつつ下山していくのだ。
 


サイクリングシーズン始まりである5月の大会ながら1年で一番大きなイベントである
蔵王ヒルクライムが終わっていくことに寂しさを感じつつ大鳥居を過ぎる。
 


そしてトン汁タイム。
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冷え切った体にしみわたる美味しさ。
 

ワラガイ御一行様からは鬼軍曹をはじめ、数人が抽選会で景品をゲットとなり無事に帰宅。
そして第2メインイベントの打上げ会。

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運動会順延、吹雪の中のレース等、色々ありましたが最高の二日間となりました。

 

今年もこれにてワラガイレーシングは解散となります。
これより速さの追求は捨て、楽しいのんびりサイクリングに特化したワラガイサイクリングに戻ります。

ワラガイサイクリングのイベントはこれからが本番となります。
家族サービスをしながらも楽しいサイクリング生活を楽しみましょう!

さぁ貴方もワラガイサイクリングで人生を謳歌しましょう。
もう一人の貴方が出番を待ってますよ



おしまい


 
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