冒険に挑むことと、無茶をすることとは紙一重である。
じゃ、その線引きはどこなのか。
これは非常に難しい。
大成功に終わってる間は大冒険と言ってられるが、もし何かが起きてしまった時、「何故実行したのか」、「無茶するから」と必ず言われてしまうだろう。
サイクリング主催者としては、当人は納得して参加して事故が発生したとしても家族は納得しないだろうという状況を想定しなくてはならない。
でもリスク回避だけを考えると平坦な道、見通しの良い道、路面状況を知ってる走り慣れた道をグルグル走るしか選択肢が無くなってしまう。
でもでも、そんな道をロングライドイベントに走っても嬉しくも興奮することもない。
ギリギリのライン。結局は感覚でしかないのかもしれないが、自分を基準に参加する人達の力量から割り出すしかない。
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ポエムってみたが、
なんなのかというと今回はコース選定に非常に苦労したのである。
なんなのかというと今回はコース選定に非常に苦労したのである。
1週間前からYAHOO天気予報がコロコロ変わるのはいつもの事として、
イベント当日は晴れるが、前日深夜が氷点下というのだ。
目的地の飯坂温泉には相馬市から標高500m付近の霊山を国道115号線を利用して越えなくてはならないのだ。
実際のその場所に行かないと道路が凍結してるのかどうかわからないが、もし凍結していたら下山中にスリップするだろう。そうなったら大惨事は免れない。
では、
目的地を変えればいいだけではないか。
・・・そう、目的地を大河原のいい湯あたりにすれば無難なのだ。何も問題ない。平坦な阿武隈川の土手沿いを通って帰ってくる。
距離は100kmは越えるだろうし、談笑しながらノンビリ走ることもできるだろう。想像しただけでイベントが終了できるくらい。
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きっと参加する皆は「楽しかった。面白かった」とは言ってくれるだろう。優しいから。
でも、あいつらの発したい言葉はそんなんじゃないはずだ。
あいつらの発したい言葉。
それは
「きつかった」
に違いないのだ。
日中は暖かいのに前日の氷点下に悩むことになろうとは。
どうする。
どうすればいいんだ。
店長「助けて~ ワラえも~~~ん」
今回の参加者は
伊藤
菊池
杉目
杉岡
佐藤
山川
山田
小野
荒武
+店長の10名
第1章「デレツンな道」
イベント前日にして急遽ルート再設定に頭を悩ませる店長。
霊山越えは危ないから止めようという声、飯坂温泉に行きたかったなぁ~という声、
トンカツ食べたいなぁ~という声を纏めていくと近い形になっていくのが
丸森町を経由して国見町の道の駅「あつかしの郷」を目的地にするコース。
鯖味噌をパンで挟んだ国見バーガーというのを目玉にしてるらしいし、悪くはない。
トンカツ、カツ丼、ジェラートなど種類も豊富だし。
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でも、でも、温泉が無い。
この時期に温泉を絡ませないロングライドなんて風情が無さ過ぎる。
日本人なら花鳥風月。
遊びに来てくれた花澤さん、菊池さんのアドバイスを取り入れてルートラボでコースを辿ると一つの答えが見えてきた。
若干距離が伸びるが丸森町を経由して飯坂温泉に行くルート。
ルートラボで勾配を確認すると帰りでの松坂峠以外はほぼ平坦。
全体の7割が[デレ]で、残り3割が[ツン]なのだ。
デレツンっていうも語呂が悪いが、地図を見てるうちに松坂峠の秘密を知ることになった。
くくくっ、これは使える。くくくっ、あいつらが驚く顔が楽しみだ。
これで行こう!
悩みが解決した夜は安心して快眠。
いつになく爆睡してイベント当日を迎える。
杉目さん「おはようございます。コース決まりましたか?」
佐藤さん、荒武さん、杉岡さん「おはよございます~」
続々とメンバーが集まりだす。
店長「んと、今日のコースですが丸森経由で飯坂温泉です」
はぁ!?という顔の面々。
そういえば前日のメールでは「いい湯」にしますと伝えた人もいたかも・・・
やばいやばい。ちゃんと説明しないとね。
店長「いい湯と同じくらい平坦で距離も同じくらいです。ただ最後に松坂峠です。ふゅぅ~」
寝坊した小野さん、遅刻しそうな山田さんから連絡を貰い、集合場所を伝えて出発進行~。
氷点下と騒いでたわりに外気は暖かく、
鈴宇峠頂上付近では暖かい空気の塊に何度か突入したりと予定以上の出発の中、
鹿狼山市場で小野さんを待つと2~3分もせずに合流となる。
顔に浮かぶ汗からは、結構ハイスピードで追いかけてきてくれたのだろう。
でも俺は見逃さなかった。。
急いで追いついてきた小野さんの鼻の下に百尺観音バリの鼻水の跡がくっきりと出ていたことに。
つづく。
2017年は8月も10月も長雨でサイクリングが出来ていない。
そんな中、距離を伸ばした走り収めライドは成立するのだろうか。
期待と不安の中、ワラガイRCは新たなルートで飯坂温泉を目指すのであった。
次章「全てのマダムは俺のモノ」をお楽しみに。
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