===ここから最終章です=====
==第4章は読みおわりましたか?===




最終章「ペガサスふぁんたじー」



メンバー間に流れる、ほんわかした空気の中、三階滝公園へ向かうと・・・

ハスカップソフトが美味しいと書いてあった店舗が閉店しており【売物件】の看板が出ている。
DSC01646_R

P1020508_R

優しい空気が流れているワラガイ御一行様にそんな小さなこと関係ない。

店長「はははっ、しょうがないですね。このまま進んでたらこ丼でも食べちゃいましょう。あとちょっとだけ登ったら30kmの下りです。」

荒武さん「この看板みると登りったって後50cmくらいでしょ。あははは」

菊地さん「まぁ、600mも登れば頂上だからもうすぐだよ」

・・・2日目の盛り上がりはここまでだった。本当にここまでが最高潮だった。

登り出すと程なく霧雨が振り出してくる。

小野さん「山だから天気変わりやすいんだね~」

店長「すぐ山を越えるから、また天気変わるんじゃないですか~。ははは」

・・・5分後

荒武さん「どうかんがえても、道がずっと登ってるよね。600mだったよね」

店長「そうです。そうです。ルートラボが若干ずれてたんですよ。実は1kmくらいあったんですかね」

※後日確認すると三階滝公園からが坂本番であり7kmの登りが待っていた。

・・・5分後、霧雨から小雨に変わってくる。

伊藤さん「坂が終わらないね~、また店長やったか」

荒武さん「後ろの人達、遅れてきてるよ。どうする?」

店長「雨宿りするところまで行きましょう!」

荒武さん「あいよっ」

雨も強くなっていき、山頂に近づくにつれ気温も低くなってくる。

店長「北海道の大自然すげ~よ。俺達、北海道の大自然を堪能してますね」

雨の中10分以上、登坂区間をがんばっていると地図で確認していたトンネルが現れてくる。

昨日はあれほど嫌がってたトンネルであるが、今回は寒さと雨宿りとして嬉しい限りの場所となっている。
※ここから極端に画像データは少なくなります。

店長「さ、さ、寒い。寒いよぉ」

※気温8度

何人かはレインウェアを取り出して着替えだすが、半分くらいはコンビニのカッパである。
私にいたっては、ウィンドブレーカーに防水スプレーを掛けてきただけでの雨対策なので、もうどうにもならない。

震える手を摩りながら
リックサックから昨日履いてた靴下を取り出して履きなおす。

靴自体が濡れてるから関係ないのだが数分間は暖かい。

また昨日まで来ていたTシャツも取り出し、上に羽織る。

グローブは指切りしか持ってきてないので軍手で我慢。

トンネル内なのに、7月なのに履く息が白い。

全員の合流を待ち、それぞれの着替えを確認してトンネルを抜ける。

山を越えると天候が変わることなど普通にある。
ここは北海道だ。ここを抜けると晴天で「さっきのなんだったんだろうね~」と笑って再スタートさ。

とトンネルを抜けると。

当たり一面真っ白な世界。
しかも雨はさっきよりも本降り真っ只中。
さらに下から吹いてくる風でガスが下から上空へ移動してるのが肉眼でわかるレベル。


駄目かもしれない。

下り始めに道路横で誇らしげに流れている滝が憎らしい。
北海道の大自然の山頂付近でこの状況は絶望的である。

吹き付ける風をさえぎるものなど何もありはせず、途中に点在するトンネルは風の通り道となっており凄まじい冷気を吹き付けてくる。

この状況が30km続くのは確定なのである。

後方からは

伊藤さん「燃え上がれ!俺の小宇宙」

荒武さん「もっと燃えろゴールドセイントまで小宇宙を高めるんだ。店長は何がいい?」

店長「キャンサーのデスマスクでいいです。」


ペガサス幻想

作詞 竜真知子
作曲 松澤浩明、山田信夫
唄 MAKE-UP

抱きしめた 心の小宇宙
熱く燃やせ 奇跡を起こせ
傷ついたままじゃいないと
誓いあった 遥かな銀河
ペガサス幻想 そうさ夢だけは
誰も奪えない 心の翼だから
聖闘士 聖矢 少年はみんな
聖闘士 聖矢 明日の勇者OH YEAH
聖闘士 聖矢 ペガサスのように
聖闘士 聖矢 今こそ はばたけぇぇぇええええええええええ


何キロ下ったろう、スピードメーターを確認するとまだ2km。
2kmも下ったんなら気温が上がってきてもいいはずなのに更に寒くなる。

指はもう動かない。
手のひら全体を使ってブレーキをしているのだ。
心臓付近も痛くなってきた。
低体温症で死ぬときってどうなのかなぁ~と想像をし始める。
脚も少しでもまわそうなら体温を奪われてしまう。
このままオシッコをしようか。少しでも温かくなるのだろうか。
今この状況なら誰も責めたりしない。

雨の状況は最悪を向かえ土砂降り。

店長「まだまだそうですね。この真っ直ぐな道。地平線が見えそうなくらい真っ直ぐ遠くまで続いてますもんね」

荒武さん「もうちょっとだよ。がんばれ~!がんばれ俺!」

聖闘士 伊藤「燃え上がれ!!俺の小宇宙」



ペガサス幻想

作詞 竜真知子
作曲 松澤浩明、山田信夫
唄 MAKE-UP

抱きしめた 心の小宇宙
熱く燃やせ 奇跡を起こせ
傷ついたままじゃいないと
誓いあった 遥かな銀河
ペガサス幻想 そうさ夢だけは
誰も奪えない 心の翼だから
聖闘士 聖矢 少年はみんな
聖闘士 聖矢 明日の勇者OH YEAH
聖闘士 聖矢 ペガサスのように
聖闘士 聖矢 今こそ はばたけぇぇぇええええええええええ


2回目を歌い終る頃に、パーキングが見えてくる。
小さな掘っ立て小屋しかなく、店明かりもついてない。

店長「立ち寄ってもなんにも無さそうですね。突っ切っていきますか?」

荒武さん「て、店長、自販機!温かいの飲もうぜ。体が冷え切っててヤバイカモ」

店長「了解!」

掘っ立て小屋と思ったのは、公衆トイレと隣に10名も入るとキツキツとなる小さな観光案内小屋。

店長「あ、あ、荒さん!自販機、全部冷たいです!!」

荒武さん「ああああ、あああああああ」

と、とりあえず、トイレ。

後方部隊も遅れることなく全員が震えながら到着する。

トイレで暖をとることもできず、困っていると隣の観光案内小屋に入れることに気付く。

もちろん管理人などはおらず、観光パンフレットが置いてあるだけの小さな小屋。
DSC01647_R
※全員が目が虚ろな状態。

ストーブが設置されているが、コンセントが鍵の掛かった隣部屋につづいており、作動することができない。
南京錠を破壊しようかと何度も考えたが犯罪者になるわけにもいかない。

杉岡さん「さ、さむい。このパンフレットにあるどこかに電話して送迎バスを出してもらえないかな」

半杭さん「タ、タクシー呼びません?」

小さな小屋で12名が震えながらいると何となく小屋内部の温度が上がったのか若干温くなる。

目的地のたらこ屋のパンフレットを探していると後ろでは自発的にワラガイキャッツの円陣がはじまってる。

伊藤さん「生きて帰るぞ~、ワラガイ~キャッツ」

メンバー「ニャー」

伊藤さん「キャッツ」

メンバー「ニャー」

伊藤さん「キャッツ」

メンバー「にゃ~~~」

・・・

お、俺もまぜてくれ。

ここからも長かった。
途中で牧場など現れ始め、ああ、ここら辺で倒れても民家があるから大丈夫か・・・
と思いつつも速度を上げて進めていく。

北海道らしく数十頭の牛が放たれている牧場なども横をすれ違うが「モォォォ~」と叫ぶだけしかできない店長

そして、
そして、

予定の白老町の端まで到着して訪れるは、さらなる絶望。

店がない。
家が無い。
国道があるだけのT字路。
奥に見えるは、荒れ狂う海。

どうしろというのだ。北海道。俺達にこれ以上どうしろというのだ。

震える手を片手にスマホで地図を確認してもらっても、
どこにも たらこ屋が見つからない。

店長「た、たしか、たらこ屋の近くには銭湯もあるはず」

荒武さん「銭湯もないよ」

店長「ちょちょちょ、ちょっとだけ北上して白老町市街地に入りましょう。」

もうロレツが周らなくなっている。

300mも走るとガソリンスタンドが見えてきたので助けを求めて入る。

店長「すすす、すいません。ここら辺に たらこ屋があると見てきたのですが」

GS店員「ん?たらこ屋」

店長「そ、そうです。白老町の虎杖浜のたらこ屋です。」

GS店員「ああ、それならここから南に10kmです。」

チーン。道間違えてたようだ。

店長「そ、そうでしたか。ここら辺に銭湯などありませんか」

GS店員「つい最近まであったんですが、公営化するっていうんで改装工事中です」

チーン。どうにもならない

店長「ふふふふ、服、服を買えそうな店ってありますか」

GS店員「白老駅の先に、ダイソーとサンキがありますよ」

店長「サンキ!ありがとうございます。」

激安服店のサンキがあれば、この状況を打破できるかもしれない。

店長「み、みなさん、寒くて死にそうなのでサンキに行って服買わせてください」

伊藤さん「白老駅にいって時刻表見ておこう」

店長「はい。で、で、でも早くおねがいします。冗談抜きにやばいレベルです」

もう服を着替えたら輪行袋にいれて電車で苫小牧に行こう。
ぬくぬくした電車の中で揺られるんだ~

まずはダイソーで捨ててもいいレベルのを購入し、サンキへ移動。

ダイソーにて、カッパ上下セット、靴下、ビーチサンダルを購入。
DSC01708_R

サンキでは、ラバー手袋、スウェット、ミッキーマウスっぽい裏地毛のトレーナー、坂本竜馬Tシャツ2枚

白老町サンキの店員さんに事情を説明し、試着室で着替えをさせてもらう。

温かい。
本当に温かい。

メンバー達にどんなセンスしてるんだ!と言われつつも関係ない。暖かいのだ。

温かくなると考えも前向きになってくる。

店長「このローカル線を12人全員が輪行すると大迷惑になってしまいます。何名かは自走で苫小牧に向かいませんか?俺は自走します。」


自走組みを募り、出発の準備をしていると。

小野さん「店長、もう14時過ぎてるよ。どこかで飯食っとかない?」

店長「そうですね。体の中から温めておきましょう。そこにセブンあったから寄りましょう」

北海道にきて、昼ごはんにカップラーメンをすする者、カップ味噌汁を飲んで美味い美味い喜ぶもの。北海道まできてセブンイレブンの味付け筋子オニギリを食べて、やっと海産物食べたよ~と言うもの。
DSC01648_R
DSC01649_R


そうさ、海産物なら相馬のたこ八や斎春で食ったほうが美味いに決まってる。
全力の負け惜しみを呟きながらオニギリを頬張る。


店長「皆さんはゆっくりでもいいですが、私は17時までにフェリー乗り場で受付しないと2等和室をまとめて予約できなくなってしまうので急ぎます」


遅くなってしまうから先に出発するという大垣先生、秋山さん達を見送り、他の人達に「急ぐのは私だけで大丈夫」と伝え、
先導してくれるという小野さん、いっしょに向かうという荒武さんと共に出発すると数メートル先で秋山さん達の姿が。

雨で路面が滑って大垣先生が転んでしまったとの事。
ただ、転んで痛がってる様子ではなく事態は深刻な様相を見せている。
苦しく歪む表情、それを見守る秋山さん

詳しく聞くと脚を攣ってしまっているとの事。しかも両足。

昨日の飯土井さんの脚攣り事件とかぶって、笑いが込上げてくる。
自分も蔵王ヒルクライム中で酷い目にあったから脚攣りの辛さは身にしみているが、だからこそ、その辛さが共感でき「あぁ~、そうなっちゃうよね~」と笑みが溢れてくる。見てて嬉しくなってくる。
・・・私、ドSかもしれない。
他の皆さんも私の前では足攣りしないことをおススメする。

ある程度落ち着いたのを見て、秋山さんにサポートを御願いしてフェリー乗り場へと向かう。
兎に角、受付だけは17時に終わらせないと夜が大変なことになってしまう。

現在14時50分

残り24km 

全然余裕だ。

途中の不足の事態に備えるべく時速30km弱で巡航スタート。
さすがの国道36号線は交通量も多い。
雨は弱くはなっているが、それまでの水溜りなどで路面状況は良いとは言えない。

しばらく走行して苫小牧の標識が出てくるも、まだまだフェリー乗り場の標識が出てこない。
苫小牧駅を過ぎて暫く走行しただろうか、フェリーの標識が見えた!
が、複雑に立体交差している道路の為、どこから曲がれば良いのかがわからない。

店長「とりあえず真っ直ぐ行って、どこかで右折できるんじゃないっすか?看板でるでしょう。まだ16時だし、1時間も余裕あるから」

小野さん「そだね。行ってみようか」

・・・15分後

店長「おかしいですよね?これだけ走ってフェリー乗り場の看板一切無いって。」

途中で信号機をまってるオバちゃんに聞いてみると「ずぅ~~~っと手前だよ」

店長「小野さん、全然違うみたいです。急いで戻りましょう」

・・・5分後

小野さん「こっち曲がるんじゃない」

店長「了解っす」

・・・5分後

店長「小野さん、こっち多分違いますね。急いで標識合ったところまで戻りましょう。残り30分しかない」


途中、数名の北海道民に道を聞きながら16時57分 フェリーターミナルに到着。


気付いたらいなくなってた荒さんに聞くと飯土井さんのパンクと自分のパンク修理をしていたとのこと。

荒武さん「店長って叫んだのに無視していくんだもん。こんちくしょ」
P1020509_R
P1020511_R

そんな事を言いつつも全員が無事にフェリーターミナルに合流したことを喜び合っており、今にも全員でハグし合おうかというような喜びよう。
DSC01650_R
P1020515_R

太平洋フェリーに乗ってしまえばこっちのもの。
15時間くらいは、のんびりできるのだ。
DSC01653_R
DSC01655_R


3m近くのシケが予想されると放送されるが、これだけ悪条件をクリアしてきた僕達に3mのシケくらい大型フェリーだし、酔い止め薬飲んだし、問題ない。
DSC01657_R



とにかく冷えた体を暖めようとお風呂に入り。
夕食へ。

バイキングではなく、喫茶マーメイドで、まかないカレーと大ジョッキ。

P1020519_R
DSC01658_R
DSC01661_R

立ち上がると3mの揺れにビックリするが、イスに座ってる状態だと酔いのせいもあり丁度良い心地よさ。

考えてみると、朝のバイキング後、14時にセブンイレブンで軽食、そして19時まで何も食べずに自転車に乗っていたのだから酔いが早いのも頷ける。

山川さんはアイスのダブル食いを披露しだすし、荒武さんはビールにアイスを乗せてビールフロートとして飲んでいる。
DSC01664_R
DSC01667_R
DSC01662_R

そんな夕食会も22時まで続き、ゲームコーナーやカラオケに行く元気などなく、とろけるように2等船室のマットレスで眠りに落ちるのであった。

3日目
朝7時

メンバー「店長、店長、起きよう、散歩いこう」

との声と共に起こされる。
私以外の全員が既に起きており着替えなども始めている。

散歩しながら朝飯いこうということに。
DSC01673_R



3日連続でオシャンティな朝食を堪能し、伊藤さんとゲームコーナーに入る。
今時のスロットコーナーや、UFOキャッチャー、そしてパロディウスがあるではないか!!
が、揺れてる中で弾幕をかわす自信がないので大人しくマッサージ機で揺られる。
DSC01672_R
DSC01680_R

到着30分前にもなると仙台港から仙台空港までの走行準備。

DSC01682_R
DSC01681_R
ダイソーで購入した靴下。足の半分の大きさなのだが、これが標準か。
今の世の中こういうのが流行っているのか。


15時間もフェリー内にいたのに、飽きることも無くもっと堪能したかった思いの中フェリーを後にする。
DSC01690_R


北海道で2日間鍛えられた為か仙台港からは今までに無いスピードで巡航しつつユリアゲ朝一に到着。
P1020550_R


菊地さん「北海道でのあの車になれたから、こっちの車が優しく感じるよね~」

店長「俺も思いました。どれだけ福島県と宮城県が走りやすいことか。」


店長「北海道で食べれなかった分、ここでヤケ食いして帰りましょう」

メンバー「お~う!」
DSC01694_R
DSC01693_R

チャーシュー麺を食べながら、昨日まで滞在した北海道で食べた魚介類はオニギリの筋子だけだったなぁ~と思い出を噛み締めつつ。



本来なら全員で仙台空港に戻り車で解散となる予定であったが、洞爺湖から運んできた木刀を最後まで店に自分で届けたくなり店長のみ自走を決意。

DSC01698_R
全員と握手を交わし別れを告げる。

約3時間後、なんとか店に辿り着きました。

DSC01702_R
DSC01704_R
DSC01705_R

今となれば「ワラガイイベントはこうあって欲しい」を体現したような理想的な内容となりました。
べ、べつに強がってなんかいないって。
悔しくないって。
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、たらこ丼食いたかったなぁ~と思うだけだもん。


そうそう、
白老町で購入した坂本竜馬Tシャツ。
人生においてここぞっ!という時にきる勝負服として大切に着続けて行こうと思います。
相馬で坂本竜馬のTシャツ来てるサイクリストがいたら、それは多分本気になってる私かも。

店長「ワラガイの夜明けぜよ!」


おしまい。


次は5年後か、10年後か。次の目的地は国内か海外か。
まだ見ぬ貴方も仲間となって一緒に旅に出かけているかもしれませんね。
さぁ、迷わずワラガイでスポーツ自転車買って冒険を満喫しましょう!



サイクリングランキング