===ここから後編です=====
==中編は読みおわりましたか?===
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
2022’夏だ一番!ワラガイ祭り ~後編~
メンバー「もう工事終わってたりしてないんですか?押して歩いていきますんで」
警備員「駄目です。まだ工事してて今月末までは絶対に無理です。」
ゲート前で仁王立ちされている。
チーーーン。頭の片隅に残ってた不安が爆発した。
後ろを振りかえると視線を地面に落としてるメンバー達が泣きそうな顔になっている。
何人かは、ここに来るまでに「脚が攣った」とか「そろそろ無理そう」とか言ってた。
僕は何度も「そろそろ頂上だから後は下るだけですよ」とも言ってたなぁ~
と走馬灯が駆け巡っている。
店長「あの~皆さん。元来た道を戻るしか無いです。迂回路ないです。」
メンバー「え~~~!!」
鳴き声のような絶叫が辺りに響き渡る。
木村さんはスマホで迂回路を探し始めているが、無理無理。
事前に調査済みだもん。
しかも、まんさく農園食堂で昼食してからずっと日差しが強くて気温も高くなってきている。
万事休すか!
最悪はどこかで待機しててもらって、車で迎えに行くという手もあるが
3~4時間は待機してもらう事になる。。。。
こうなったら気持ちで何とかしてもらうしかない。
吉川晃司も【それがどうした お前の気持ちだろ】と歌っているし、心ひとつで何とかなるよと言ってるのだと思う。
店長「よ~~~しっ。戻りましょう!今まで登りが多かったということは逆になるから下りが多くなるだけですよ」
問題は交通量の多かった115号線を12台で下山。
車からしたら絶対に良い気持ちにはならないので、一人ずつ車3台分の間隔を空けて下山してもらう。
店長「さっきの宝来堂製菓で待ち合わせしましょう。」
さっきまでの登坂とはうって変わって、下りはあっという間。
全員無事に合流したら自動販売機でドリンクを補給する。
ここから戻る母成峠には自動販売機は無かったし、結構な急勾配を降りてきたから今度はそれを登ると考えると
数名のメンバー達が耐えられるか不安がよぎる。
でも、吉川晃司が言ってたから大丈夫だ。
店長「よしっ、ここの登りだけ頑張ればあとは磐梯熱海までずっと下り坂だから頑張りましょう!。」
登り出すと最初から勾配が7%となっている。
盆踊り会場を横目に「さとし君(仮名)、ほどほどにな」と声をかけて登り続けると
いつしか勾配が13%、14・・15・・・16%と上がっていく。
いやいや、本格的にヤバいかな・・・
でも吉川晃司が・・・
なんとか登り切って最後尾を待つ。
空は晴天で日差しは強いまま。気温も高い。
日陰に入ればなんとかなりそうだが、すでに何名かはヤバそうな雰囲気を出している。
店長「ここで梅丹サイクルチャージの出番です。今のうちに補給しておいてください」
全員が無事に登坂完了。
店長「ここからは完全に下山ですけど、疲れた時の下山程危険なものはないので集中しておりましょう。私が最後尾につきます。とりあえず八幡清水で一度休憩とりましょう。」
メンバー「お~!」
八幡清水に到着すると木々に覆われているので、日差しも遮られており
清水が流れていることもあって周りの空気がかなり冷たい。
メンバー「あ~~。つかれた~」
ヘルメットを脱いで頭に水を掛けたり、ボトルに水を汲んで体にかけてたり
店長「ここでもうちょっと休んだら、次は牧場によってソフトクリーム休憩でもしましょう」
高橋さん「お~ソフトクリームいいですね~」
店長「また私が最後尾を走るので、気をつけて下山してください。よしっ、行きましょう」
メンバー「お~!」
基本的に臆病な私は下山が苦手なので最後尾を走ってると、皆に置いてかれてしまう。
視界には誰もいなくなってしまったが、すぐに牧場だしのんびり下っていると牧場近くの退避スペースに数名が待っていてくれた。
店長「お~い。おまたせ~。牧場いきますね~」
メンバー「てんちょ~、ちょっとまって~」
店長「ん!なんだなんだ、メカトラブルか!?」
杉岡さん「店長ポイズンリムーバ―持ってない?岩崎さんが蜂に刺されたって」
店長「まじっすか!リックサックを見てみますね。とりあえず牧場の所に移動しましょう」
午前中に来たばかりの牧場にまた来ることになるとは・・と感慨深くなりながらも
リックサックを調べるもポイズンリムーバが見当たらない。
あっ、合宿用のバッグに入れたままだった。
店長「ごめんなさい。今日は持ってきてなかった」
杉岡さん「そこの受付に相談してきますね」
するとすぐにキンカンを借りてきてくれた。
ヘルメットの隙間から入り込んだ蜂がパニックでおでこを刺したとのことで、
赤くなっている。針が残っていたということなのでミツバチだろうと判断。
心配してるメンバー達が岩崎さんを取り囲んでいる。心配というより「おら、ワクワクすんぞ~」っていう感じのテンションだろうか。
キンカンを塗って、激痛に叫び声をあげる岩崎さん。
それを見て、ワクワクしてるオジサンのテンションもMAXへ。痛いって言ってるのに、「痛い?」「痛いの?」「どうなの?」って、お前らドSかよ。
ワラガイサイクリング14年目で初めての事例となり興味津々。
キンカン塗って激痛が収まってきたという辺りで、メンバー達の興味はソフトクリームに移っていた。
数名で購入して入場させてもらいソフトクリーム休憩開始。
店長「そろそろ出発しましょう。ここからは先頭で道案内していきますね」
メンバー「お~!」
ここから磐梯熱海までは緩い勾配での下山となる。若干の平坦区間を経て岳温泉までの登り区間15kmとなるのだ。
大丈夫?と聞いても「大丈夫じゃない」と答えが返ってくるに違いない。
登りが始まる前に自動販売機休憩するとして、それまでは騙しだまし進んでおこう。
時間は15時近くになってきて、西日が強くなってきている。
気温も本日最高潮だろうか。
店長「そこの自動販売機で休憩しましょう」
メンバー「たすかった~。ボトルは空っぽだったよ」
メンバー「岳温泉に戻ったら成駒でカツ丼食べて帰ろうね~」
ここから残り14kmは、緩やかではありつつも登りが続いてたはず。
残りは10kmだよと、メンバー達に嘘の情報を与えて再度出発をする。
途中、数名が熱がこもってきたとの事だったので
朝出発した時にはいらなかったなと思った冷却剤を全て開封して首筋を冷やしてもらう。
≪熊川さんありがとう!超役に立ちました≫
何度も何度も、あと1kmでゴールだよと伝えつつ、
16時30分。なんとか岳温泉ゴールとなりました。
駐車場で着替えをすませ、17時から営業という成駒に全員で向かうも【本日終了】 完売 との文字が・・・・
店長「ああああ・・・」
高橋さん「どうしますか?」
店長「ん~~~。よしっ、それじゃ足湯に入って疲れを取ったら御土産屋に立ち寄って解散しましょう」
成駒から100mほどの足湯に到着すると、足湯のお湯が抜かれており~17時までの看板が。
店長「よ~っし。ここも駄目みたいですね。涙が出てきたけど負けちゃ駄目だ。この調子だと御土産屋も僕達が到着前に閉められそうなので急いで向かいましょう」
なんとか誰一人事故無く完走となりました。
今回は岳温泉街~奥岳の湯までのヒルクライム区間と成駒食堂のソースカツ丼という目的が残ってしまいましたが、いつかリベンジを行います。ワラガイサイクリングだと速くなれないしスキルアップとも縁遠いですが、皆さんの想像の斜め上を行く冒険ハプニングと、仲間達との楽しいサイクリングが待ってます。
ワラガイでスポーツ自転車を購入して新しい世界に飛び込んでは如何でしょうか。
おしまい。
ヒルクライムランキング